7月29日(土)
いつものように朝ご飯を食べて、6:50にみんなを見送った。発掘隊とも今日でお別れなのだ。「また来てね」と言ってもらったり、トルコ式のハグとキスのお別れがあったりで、なかなか感動的である。
朝のうちは雲が多かったけど、8時頃には晴れてきた。日陰は少し肌寒い。荷物は昨夜のうちに用意しておいたので、準備もあっという間に終わった。今日の予定は結局、発掘隊のバスでセイトガーズィまで送ってもらい、そこからバスでエスキシェヒルまで行くことになった。なんでも村から出るバスはエスキシェヒルの中心まで行くので、エスキシェヒルのオトガル(バスターミナル)まで結構距離があるらしいのだ。そんなわけで、新しい隊員を迎えに行くという発掘隊のバスでセイトガーズィに向かう。運転手さんがバスターミナルで下ろしてくれたので、バスの発車時刻までチャイをご馳走になって待っていた。ここからエスキシェヒルまでは1時間ちょっと。あちこち工事をしていてスピードが出せなかったためだ。エスキシェヒルに着くと、運転手さんがどこまで乗るか聞くので、「オトガルまで」と答えると、今度は行き先を尋ねられた。「アンカラまで」と素直に答えると、アンカラ行きのバスの真ん前にバスをつけてくれた。お礼を言ってバスを下りると、今度はアンカラ行きのバスの運転手さんが、ターミナル内のチケットブースまで連れて行ってくれて、チケット購入を手伝ってくれた。そしてバスに戻ると、バスは程なく出発。あ〜、オトガルの中を見て回る時間がなかった〜!
そう、トルコは国鉄が発達していない分、長距離バスが発達していて、大きなオトガルだと空港並みの設備があるというのだ。まあ、アンカラのオトガルをゆっくり見て回ればいいかな。
さて。バスが動き出すと、イケメンの車掌さんがコロンヤを持って回り始めた。清潔好きのトルコ人は、人をもてなすとき、必ず手洗い用の洗面器を用意するという。バスの場合はその用意がないので、レモンの香りのするコロンを乗客の手に振りかけておしぼり代わりにするというわけである。手や首筋につけると、なるほど気持ちがいい。続いて今度はお菓子と飲み物のサービス。トルコのバスはなかなかサービスがいいね。
さて。今度は車掌が「どこまで行くか」を各乗客に聞いて回り始めた。「オトガル」「ターミナル」という言葉が聞こえる。私の隣に座った女性はすかさず「ターミナル」と答えていた。うーん、オトガルとターミナルって同じじゃないの?
それともオトガル以外に、市内の繁華街にターミナルが別にあるんだろうか? 私の持っている「地球の歩き方」には「オトガルはアンカライ(アンカラ最初の地下鉄の名前)の駅に直結しているので、街の中心地のクズライまでは1本で行ける」というようなことが書いてあったんだけど。疑問は膨らむばかりである。
アンカラまでは約3時間。オトガル以外の場所で下りると申告した人たちが次々と降りていく。どうしても気になったので、隣の席に座っているおねえさんに、「スヒィエまで行きたいんだけど、オトガルで下りればいいの?」と聞いてみると、彼女はほとんど英語ができないながらも、「スヒィエに行くならオトガルで下りて、アンカライとメトロ(アンカラで2番目の地下鉄)を乗り継げばいい」というようなことを教えてくれた。そして私がスヒィエに何をしに行くのか聞き、泊まるホテルがそこにあることがわかると、「ホテルの名前は?
スルメリ? それなら知ってるから連れて行ってあげる」と言う。バスがオトガルに着くと、「こっちよ」とアンカライの駅に案内してくれて、クズライでの乗り換えも手伝ってくれて、そしてスヒィエに着くと、本当に一緒にメトロから下りて、「ほら、この隣の建物がスルメリよ!」と言うと、彼女は爽やかに去っていったのだった。うわぁ〜、かっこいい!
たとえ言葉が通じなくても、一生懸命話せば理解できる。日本人なら「私は英語がわからないの。ごめんなさい」と言って逃げそうな場面でも、自分の使える英単語とトルコ語を混ぜて、何とか知っていることを伝えようとする熱意には脱帽である(←帽子はかぶってなかったけど)。
そんなわけで意外にスムーズにホテルまで来られたので、さっさとチェックインをして荷物を下ろす。部屋をチェックすると、さすが☆☆☆☆☆のホテル、ちゃんとバスタブがある。今夜はお風呂に入れるぞ〜〜〜!
今日の観光は、とりあえずアタチュルク廟だけ。そう思ってホテルを出て気がついた。あ。水を持ってくるのを忘れた! 近くの売店で水を買うと、なんと0.35YTL! イスタンブールでは0.5YTLだったのに、首都のアンカラでは0.35YTL(他の店は0.4YTLだった)? 物価が安いのね。ぶらぶら歩いていくと、ケバブをユフカという薄焼きパンで包んだものを売っているお店があったので、早速入ってみる。もうすでに午後4時頃なので、遅めの昼食という感じである。いつもは羊肉の方を食べているので、今回はチキンにしてみた。チキンもスパイシーでなかなかのものである。
お腹もふくれて元気が出たので、早速アタチュルク廟に向かう。そこは、ものすごく高い柱に支えられた明るい建物だった。トルコがイスラム教の国でありながら、さほどガチガチのイスラムではないのはムスタファ・ケマル・アタチュルク(アタチュルクは「トルコの父」という意味)のおかげである。私たちが自由にトルコの大地を旅することができるのは、きっとアタチュルクのおかげなのだろう。そんなわけで、棺に向かって、一応お礼を言っておいた。
そして今度はタンドアン駅からアッキョップル駅に向かう。今日のもう1つの目的はANKAmallというショッピングモールでのお買い物だ。さっき、道案内してくれたおねえさんにこの場所も聞いておいてよかった〜 ANKAmallは相当広くて迷子になりそう…… イスタンブールのアクメルケズよりも大きい建物だ。スタバでフラペを飲んで休憩しながらも、人の多さにちょっと疲れてしまった。そんなわけで地下のミグロスで果物やお菓子、お土産を買ってホテルに戻ることにした。
晩ご飯はホテルの近くで食べようと思っていたのに、店を探して歩いているうちに、とうとうクズライ(メトロに乗ると、隣の駅ね)まで来てしまった。クイマルピデ(ひき肉ののったピザ)とイチリキョフテが食べたいなあ、と思っていたら、ちょうどいいお店を見つけたので早速入ることにした。すぐにサラダが出てきて、しばらくすると揚げたてのイチリキョフテがテーブルに出てきた。カリッとした皮の部分と、熱々の具がバッチリ。ピロシキにも似ている感じ。これはおいしいじゃないの〜 そしてクイマルピデ。薄焼きパリパリで、これはコンヤ地方の作り方かな。ちょっと羊臭いけど、あっという間に完食してしまいました。
ホテルに戻ったら、冷蔵庫で冷やしておいたビールと葡萄とチョコレートで2次会です。
(旅行中の日記をもとに再構成しました)
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発掘隊での最後の朝食。
このあとみんなを見送ってから、
セイトガーズィに向かいました。
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バスを待つ間、チャイを……
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このバスでアンカラまで行きます。
アンカラまでの料金は15YTL。
約3時間の道のりです。
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エスキシェヒルのオトガル。
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長距離バスのサービス。
結構サービスがいいんだよ。
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アンカラに着いたのでお昼ご飯。
ユフカで包んだケバブです。
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アタチュルク廟を見学。
ここからは市内を見渡せる。
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広い敷地。
博物館も併設されている。
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こちらが廟の中のお棺。
ちゃんと衛兵が見張ってます。
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アタチュルク廟から見る
市内の様子。
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こんなかわいいものがありました。
道端の看板?
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ANKAmallは巨大な
ショッピングセンターです。
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中のフードコートも
かな〜り興味あり。
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ホテルまではメトロですぐ。
交通が便利でうれしい。
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晩ご飯はクズライで食べます。
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イチリ・キョフテ。
イスタンブールでは見かけなかったけど。
食感がたまらなくいい!
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夜のクズライをお散歩。
この辺りが賑やかな街の中心地。
さすがアンカラは首都です。
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これが泊まったスルメリ・ホテル。
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メトロのチケット。
回数券も同じ形です。
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ホテルに帰ってからのおやつ。
葡萄がおいしい〜〜〜♪
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