待てばカイロの日和あり *エジプト旅行記 5日目*

 

321日(水) 晴れ

今日からナイル川クルーズ開始。
一昨日確認した予定ではカイロ空港からアスワン経由で
アブ・シンベル空港までフライト、
アブ・シンベルを個人で観光して、再度飛行機でアスワンへ。
アスワンの空港で待っている旅行社の日本語ガイドと合流して、
専用車でアスワンの観光をした後、船にチェックイン。
さてさて、予定通りに行くかどうか……

何と言っても体調が今一つだからなのだ。
熱こそないものの、何となく熱っぽい。
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4日の船旅、大丈夫なのか???

とにかく朝5時半に家を出て、アムルの運転で空港へ。
今回はエジプト航空なのでターミナル3である。
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国際線と国内線、入口は違うけれど、中はもちろん1つになっている。()

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小さなカウンターでチェックイン。
預ける荷物はスーツケース1つ。
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人の荷物をスーツケース1つにまとめたのだ。
今回はアスワンで降りずにアブ・シンベルまで直行して
そこからアスワンに引き返してくるので、
荷物の届け先がアスワンになっていることを確認。
ここが大事。()
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チケットは2枚受け取る。
ここも大事。()

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時間がちょっと早いので、搭乗ゲート近くのカフェで
コーヒーを飲みながら朝ご飯。
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私は体調を考慮して、いつものブラックコーヒーではなくて
甘めのカフェモカをオーダーした。
ここでおにぎりとサンドイッチをゴソゴソと引っ張り出し、
のんびりと食べる。(^^;)

そうこうしているうちに、アスワン行きの飛行機のファイナル・コールが!
ええええ!
搭乗時間が早くなったのーーー!?
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あわてて搭乗ゲートに向かうと小さな飛行機が停まっていた。
あれに乗るのね……

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カイロ→アスワンは約1時間半。
機内では水とジュースがサービスされた。
アスワンに着いたところで座席を移動。
同じ機体でアブ・シンベルに向かう。
残念ながら窓側の席ではなかったので外は見えない。
つまらない……

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アスワンからは約40分でアブ・シンベルに到着。

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小さくて何だかのんびりした空港だ。
アブ・シンベルの滞在時間は1010分から1240までの2時間半。
駐車場に停まっているエジプト航空のシャトルバスで
アブ・シンベル神殿に向かう。

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神殿は空港から23kmなので、あっという間に着く。

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一斉に観光客が降りる。
欧米人と中国人ばかり……
日本人は私たちだけ。
うれしいようなさみしいような……

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公衆トイレのマークが面白かったので1枚パチリ。

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チケットを買い、神殿まで歩いていく。
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道なりにゴロゴロと遺跡めいたものが転がっている。
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天気がいいのでナセル湖もきれいに見える。

それにしても熱い。
このナセル湖の南はスーダンとの国境だ。
それだけ南に来たってことか。

突然アブ・シンベル大神殿が見えてきた。
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大きい!
ラメセス2世の巨像が4体並んでいる。
でも、何故4体???
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体でいいのに、ねえ?

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ここは何がすごいかというと、アスワンハイダムの建設によって
アブ・シンベル神殿が水没することとなったため、
ユネスコの支援により、神殿を構成する石を細かいブロックに分け
元の位置より60m上に完全な形で移動させることに成功したということ。
しかもその継ぎ目がほとんど分からないという完璧さ。
神殿建設よりも神殿移築の技術に驚かされる。

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神殿内部は撮影禁止。

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入口でアンク(生命の鍵)の形をした扉鍵に感動。
これ、欲しいなあ。

中は多くの壁画で埋め尽くされていて
一つ一つ見ていくときりがないほど。

そして今度は隣のアブ・シンベル小神殿に向かう。
小神殿の方はラメセス2世が妻のネフェルトアリ(ネフェルタリ)
のために建てた神殿。
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そしてここにもラメセス2世の像が4体とネフェルトアリ像が2体。
だから1体ずつでいいんだってば。()

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こちらも中に入るとびっしりと壁画が描かれている。
絵とともに描かれているヒエログリフが読めたら面白いんだけどな〜

それにしても頭が痛い。
これは暑さのせいではなくて熱のせいだと思う。
本格的にヤバイかも。

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再びシャトルバスに乗って空港に戻る。
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時頃のエジプト航空機で、再びアスワンに向かう。
飛行機の中では機内サービスの水を飲んだだけで
あとはずっと寝ていた。
少しでも体力を回復したい。

ふと気付けば、飛行機はアスワンに到着していた。
預けた荷物は無事にアスワンに届き、スーツケースを受け取る。
熱のせいでボンヤリしていたのだけれど、
やり手のポーターが勝手にスーツケースをカートに載せ、
私たちのガイドの待つ専用車のところまで運んでいった。
そしてここで全員の頭に「ハテナ?」が浮かぶ。
私たちの荷物は私のスーツケースにまとめた1つだけ。
ポーターが運んでいるのは私の赤いスーツケースと
黒いスーツケースの2つ。
その黒いスーツケースは……誰の???
専用車で合流したガイド氏のスーツケースでもない。
ポーターに「これは我々の荷物ではない」と何度言っても
勝手に車に乗せようとする。
だから……この黒いスーツケースは……誰の???

結局ここでガイド氏が「これは我々のものではない」と説明して
押しつけがましいポーターはようやく納得した。
結局あのスーツケースは無事に持ち主の手に渡ったのだろうか……

ここでガイドのモーメン氏とご挨拶。
彼はルクソール出身なのだそうだ。
ガイドの仕事でカイロに住んでいたのだけれど
観光客が減って仕事が無くなってしまったので
今はルクソールの自宅で待機しているという。
どうやら今回が久しぶりの仕事らしい。
モーメン氏、張り切っている!

まずはアスワンハイダムに向かう。
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ダム建設のおかげでナイルの氾濫もなくなったわけだ。
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巨大なアスワンハイダム、万歳!


そして車は「切りかけのオベリスク」に向かう。
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切り出す途中でヒビが入り、切り出すのを断念したという
曰く付きのオベリスクが横たわっている。
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完成すれば最大のオベリスクになるはずだったのにね。

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そろそろ熱が上がってきた私にはこのアップダウンはキツイ。
ガイドのモーメン氏は元気いっぱい、
「あの上まで行きましょう」とホイホイ登っていく。
悔しい。

そして今日最後の観光地、イシス神殿へと車は向かう。
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イシス神殿は島にあるので、小舟に乗る。

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神殿は徐々に姿を表す。
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小舟を降り、島に降り立つと巨大な神殿が立ちはだかる。
イシスはその魔力により殺された夫オシリスを生き返らせたと言う。
しかし2度目にオシリスが死んだときには生き返らせることに失敗し、
息子ホルスに父の敵討ちを約束させたのだった。

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神殿内には一時期コプト教徒が隠れ住んでいて、
壁に十字架が彫られていたり、
煮炊きをしたときの煤が天井に貼りついていたりする。
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コプト教はエジプトのキリスト教で、エジプト人の10%を占める。
イスラム教徒の多いエジプトにおいて、少々異端ともいえる存在なのだ。

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夕暮れに浮かび上がるイシス神殿。

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再び小舟で岸に戻る。

このあたりで体調が決定的に悪くなってきた。
神殿の内部は面白かったし、説明もよかったんだけど、
もはやどうでもよくなっている自分がいた。(^^;)
こうなったら一刻も早く船にチェックインしたい。

車はクルーズ船に向かう。
途中、クルーズ中に飲むミネラル・ウォーターを買いに
車は店に寄った。
モーメン氏と運転手が車を降りて水をたっぷり買う。
モーメン氏は何やら甘いお菓子まで買ってきた。
「一つどうぞ」とくれたが、カリカリに揚げたドーナツを
ハチミツに浸したような甘さ。
イスラム教国のお菓子の甘さは恐ろしい。
モーメン氏曰く「エジプト人は甘いものが大好きなので、
肥満・コレステロール・高血圧が3大疾病になってます。
もはや国民病です」と力を込めて語った。


車はようやく埠頭に到着した。
船の名前はムーンダンス号。
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「あれ? 船の名前が違うじゃん」と思ったら
私たちの乗る船は、この船の向こう側に停泊していた。

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船は4階建て。
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なかなかきれいな船だ。
チェックインのために書類を書き、ようやく部屋に落ち着いた。
S
パパとweiwei405号室、エンちゃんと私が406号室。
部屋に荷物を運び、適当に荷解きをする。
最初の予定では、チェックインしてから出港まで時間があるので
その間にヌビア博物館に行く予定だった。
でも、もはや今の私にそれは無理。
熱をはかってみれば385分。
シャワーで汗を流して薬を飲み、2時間ほどベッドで休む。
結局、他のメンバーも一度船に乗りこんだら疲れが出たらしく
博物館見学はやめて簡単に散歩だけしたらしい。

私は寝ている間に汗をかいたのがよかったのか、
37
3分に下がっていた。
20
時になったので、みんなでダイニングルームに下りる。
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だだっ広いホールに客は20名(私たちを含む)。
例年なら満席になるはずのクルーズ船も、今やガラガラ。
閑古鳥が鳴いている。

今日は朝を軽く食べ、昼ご飯を食べていなかったので
お腹はすいている。
たとえ熱があっても空腹だ。()
しかも私の熱の原因は、おそらく「疲れ」だ。
エンちゃんに「何がいけなかったのかな?」と聞かれたけど
旅行中に熱を出して寝込むのは私の悪い癖。
旅行前にドタバタと仕事を片づけ、旅行中にその疲れが出るのだ。
旅行中に熱を出さない場合は、旅行から帰る途中で倒れる。
見かけと違って意外にも繊細な私なのだ……
そんなわけで栄養をとって、しっかり休めば問題ない。

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早速パンを頬張る。
ウマイ!
食事はコース形式。
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スープはちょっと塩気が強いけど美味しい。
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前菜はオニオンのキッシュ。
甘くておいしい。
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メインはフィッシュとチキンとビーフからチョイス。
私はビーフ。
やわらかくてこれまた美味。
この船の食事、結構おいしいかも。
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ちなみにこっちはチキン。
こちらもやわらかくて食べやすかった。
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サラダもたっぷり。
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最後にデザート。
タルトタタンだ!
程よく甘くて、なんだか元気が出そう。

一口も残さず、しっかりとご飯を食べて、
たっぷりエネルギー補給。
これで一安心。
あとは寝るだけ。

部屋に帰って歯を磨き、再び布団に潜り込む。
そして今度こそ本格的に眠りについた。


   <つづく>


(旅行中に書いていた日記を元に修正しました)

 

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