待てばカイロの日和あり *エジプト旅行記 3日目*

 

319日(月) 晴れ

(?)3時半に日本からの電話で起こされた。
重要な連絡は一切してこない某高校の連絡係のK教諭から
さして重要でもない連絡の電話。
今エジプトにいて、こっちは夜中だと言っているのに
延々と話を続けようとするK教諭。
大丈夫か???
ここで完全に調子を崩されたので、そのまま寝られず、
6
時半に起きることにした。

それにしても寒い。
昼間は過ごしやすい気温なのに、朝晩は冷える。
これがカイロの恐ろしさだろうか。

今日の予定はピラミッド。
エジプトといったらピラミッド。
ピラミッドといったらエジプト。
8時に日本語ガイドのモハメッド氏が迎えに来るので
手早く支度をする。
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朝食は純和風。
エンちゃんは中国人だがSパパは日本人なので
S
パパに合わせた食卓という訳だ。

フラットの前で待っていたモハメッド氏とともに
旅行会社の車でギザに出発。
ちなみに本日利用した旅行会社は「エレガント・ボヤージュ」という
フランス系の現地旅行社である。
なんでもカイロ在住の日本人の奥様たちの御用達なんだとか。
日本語ガイドやチケットの手配などをまとめて引き受けてくれるので
とても重宝しているという。

カイロ市内からは40分ほどでギザに到着。
古代エジプトでは太陽の昇るナイル東側が生者の国、
太陽の沈むナイル西側が死者の国なので、
当然ピラミッドはナイル川の西側に点在しているのだ。
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まずはチケット売り場でピラミッドエリア全体の入場券と
クフ王のピラミッド入場券を買う。
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では、早速ピラミッドエリアへ!


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もともと146mあったというクフ王のピラミッドはさすがに大きい。
迫力満点。
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ピラミッドにはもともとこのような化粧石が貼り付けてあって
太陽の光を受けて輝いていたという。
現在はほとんど剥がれ落ちてしまって、
一部にその痕跡を残すのみとなっている。

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そして地震でてっぺんが崩れてしまっているけれど
元々はあの印の先まで高さがあったらしい。

以前はピラミッドを訪れる人も多く、入場制限が必要なほどだったらしいが、
去年の革命により、観光客が激減。
ピラミッド内部にも簡単に入ることができる。
内部は、せまい通路を上って、石棺のある部屋に到達。
しばらくその場でパワーを感じようと頑張ってみたけど
な〜んにも感じられなかった。
欧米人は座禅を組んだりして瞑想していたけれど
私にそんな霊力はない。()

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そしてようやくクフ王のピラミッドから脱出(?)
さあさあ、今度はラクダだ!
実は私、1度だけラクダに乗ったことがある。
それも中国で。()
哈爾浜の太陽島という公園に行ったとき、
立っているラクダに座って写真だけ撮ったのだった。
今回はラクダに乗ってお散歩だ!
料金は1頭あたり10ドル。
S
パパ、私、エンちゃんとweiwei3頭に分かれて乗る。
今日はエジプト人ガイドがいるから安心だけれど、
一度ラクダに乗ったら自分では降りられないのをいいことに
料金をつり上げる悪質なラクダ爺もいるらしい。

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ラクダが立ちあがるときと、座るときの不安定感は
何とも言えない。
立ち上がるときは後ろ足から、座るときは前足から。
とにかく前のめりになるので落っこちそうになる。
weiwei
は「コワイ〜〜〜」と半泣きだった。()
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それでもラクダに乗っての散歩は気持ちいい。
しっかりつかんでいないと振り落とされそうだが
視点が全然違う。
ついでなので名前を聞いてみたら、
チャーリーとミッキーマウスと007だと適当なことを言われた。(笑)


そしてスフィンクス。
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カフラー王のピラミッドの前に鎮座している。

早速スフィンクスのいるところまで潜入する。()
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王の遺体をミイラにするミイラ工場がスフィンクスの手前にある。
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本来ならここも観光客であふれているはずなのに、
今回はガラガラで貸切状態だ。

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ようやくスフィンクスと対面
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全体のバランスとして頭が少し小さい。
しかもちょっと悲しそうな顔をしている。
でも、これがあのスフィンクスかと思うと感激もひとしお。

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スフィンクスの上空を飛行機が飛んで行ったので
記念に1枚パチリ!

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さっき訪れたクフ王のミラミッドも真横に見えて
絶景ポイントとなっている。

そしていまや有名になったKFC
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何が有名かというと、スフィンクスの視線の先にあるのが
このKECだというのが「トリビアの泉」で紹介されたから。

視界に入りこもうとする物売りをばっさばっさと掻き分けて
ようやく車に乗る。
この後はサッカーラに行くのだけれど、
その前にパピルス工場をざっと見学。
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パピルスの草って箒みたいね。()

そしてサッカーラへの道の途中でランチを食べる。
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「サッカーラ・レストラン」。
そのまんまのネーミング。()

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門をくぐると、中で女性たちがアエーシ(パン)を焼いていた。
焼き立てを1枚もらって試食。
焼き立てアエーシ、ウマ〜〜〜ッ!

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このレストランは観光客用の店だと思うんだけど
料理の値段は比較的リーズナブル。
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まずは前菜がいろいろ登場。
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私はこの揚げナスがお気に入り。
にんにくが効いていて香ばしい。

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ミックスグリルは60EL
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添えてあるロズ(パスタ入りバターライス」がまた美味しい。
チキンもパリッパリ。
こういう観光客相手のレストランにしてはおいしかった。
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食後はトルココーヒーでホッと一息。
そういえばトルコではトルココーヒーの鍋を買わなかったから
エジプトのお土産に買って帰ろうっと。


さあ、いよいよサッカーラ。
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階段ピラミッド(ジォセル王のピラミッド)だ!
元々は台形のお墓だったのを「小さすぎるからもっと大きく」
とファラオに言われて、徐々に積み重ねていった結果が
あの形態らしい。
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今でも残っている巨大な柱を通り抜けてピラミッドの前へ。

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このあたりの砂はサラサラで心地いい。
いつまで触っていたくなる感触だ。
破傷風の予防接種をした私に怖いものはない。()

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階段ピラミッドは修復中。
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日干しレンガで作ってあるので崩れやすいのだ。

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土産物屋を横目に、視界の開けた場所に行ってみる。

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遠くにダフシュールの赤ピラミッドと屈折ピラミッドが見える。
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ほら、ね?

ピラミッドエリアから出てきて車に乗ろうとすると
野良犬たちがエサを貪り食っていた。
観光ポリスたちがエサをやっているらしい。
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おこぼれをもらおうとカラスも寄ってきた。
っていうか、カラスが黒くない!
エジプトのカラスはツートンカラーでオシャレだ!()


そして車でダフシュール(ダハシュール)へ。
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ダフシュールでは赤のピラミッドを見学。
現在は全く赤くないけれど、元々は化粧石が赤かったらしい。
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さあ、頑張って登りましょう。
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ピラミッドの入口には見張りの爺さんが1人。
「バクシーシをくれたらカメラを持って入っていい」というので
お金を渡し、こっそりデジカメを持ち込んだ。
「地獄の沙汰も金次第」というのはこういうことか……!?
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内部はとんでもなく狭い通路をひたすら下る。
とにかく立つことができないので中腰で降りる。
身長176cmの私には不利な条件。
今度小学2年生になるweiweiにピッタリサイズ。()
私は後ろ向きで降りることで、何とか一番下までたどり着くことができた。

そしてそこからミイラがあったと言われる石室へ。
ここはアンモニア臭がすごい。
なぜアンモニア??? (@@;)

それにしても、ここも誰一人観光客がいない。
エジプト、大丈夫か???


ピラミッドから出てくると、
モハメッド氏がピラミッドの全景が見える場所に案内してくれた。
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赤ピラミッド。
赤くないけど赤ピラミッド。()

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屈折ピラミッド。
ちなみにどっちもスネフェル王のピラミッド。

せっかくダフシュールまで来たので、
カイロへの帰り道の途中でメンフィスを経由。
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メンフィスは何だかとっても小さな町だ。
街ではなくて町なのだ。
ここが都だった時代があるなんて信じられない……

ここの小さなメンフィス博物館でラメセス(ラムセス)2世の巨像と対面。
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建築王と呼ばれるラメセス2世はなかなか柔和な顔をしていた。

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博物館の中庭には小さなスフィンクス。
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せっかくなので私もスフィンクスになってみた!()

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中庭を散策して、閉館ギリギリに退出。
係のみなさん、ゴメンネ。

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そして再びカイロへの道。

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途中に変な家がたくさんある。
造りかけのような未完成の家。
家の上には鉄骨がボサボサと飛び出している。
「あれはどういう意味ですか?」とモハメッド氏に尋ねると、
「このあたりの人たちは収入が低いので、
まずは土地を買うだけで精一杯なんです。
土地を買ってからお金を貯めて、1階部分を造る。
1
階だけでお金がなくなるので、またお金を貯めて2階を造る。
そうやってお金が貯まるたびに上階を追加していくので
あんな未完成の形のまま放置されているんです」
とのことだった。
ただ、もう1つの説もあるらしい。
それは「家が完成したら税金を払わなければならないので、
税金対策のために未完成のままで放っておく」という説だ。
どちらでも好きな方をどうぞ。()

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ギザまで戻ってくると、ピラミッドがお出迎え。
そういえばweiweiの通うカイロ日本人学校はこの近くだ。
ピラミッドの近くの学校!
羨ましい。
遠足やマラソン大会もピラミッド付近。
なんて贅沢な小学校時代なんだ!


さて。
このあたりで運転手の顔が険しくなる。
車のガソリンがゼロになったのだ!
まだ何とか車は走るものの、すでにメーターの目盛りはEを指している。
あちこちのガソリンスタンドに寄ってみるが、いずこもガソリンがない。
本来ならエジプトはガソリンが豊富だ。
しかも1L40円ほどで激安だ。
しかしこの時期、どこも小麦の収穫でガソリンを目一杯使う。
そのために街のガソリンスタンドからはガソリンが消える。
私たちの車もあちこちのガソリンスタンドで断られ
もはや予断を許さない状況になってきた。

そんなときに寄った1軒のガソリンスタンド。
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ここにはガソリンがあるらしく、長蛇の列ができている。

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マックのデリバリーバイクもガソリンを入れに来ている。

運転手がガソリンはあるかと尋ねると、あるという。
「外国人のお客さんを乗せているから、すぐにガソリンを入れてほしい」
とお願いすると、ガソリンスタンドの店員も、列に並んでいた何台もの車も
快く列の先頭への割り込みをOKしてくれた。
おかげでガソリンも満タンになり、運転手の顔に笑顔が戻った。


さあ、ガソリンをたっぷり入れた車は快調に飛ばす。
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道の両側もだんだんにぎやかになってきた。
ちなみにこれは売りマンションで、
エジプトでは中国と同様、マンションは箱だけ売る。
内装は一切せず、間取りや壁紙、装飾などは
全て購入者が自分で発注するようになっている。
内装などを全て完成させてしまうと値段が上がってしまうので
売れ行きが悪くなるらしいのだ。
しかも各自が好きな窓をつけるため、外観に統一感はない。()

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さあ、家まであと少し。
カイロ市内の渋滞に巻き込まれたものの、
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時半頃にはフラットまで戻ることができた。


とりあえず1日の疲れを宅配マッサージで癒す。
# kenny
氏とSパパはマッサージはしない。
私のあとでエンちゃんがマッサージを受けている間、
私とkenny氏で夕食作り。
ところで「kenny氏」などと気取った書き方をしているが、
実は私と同い年の日本人である。
#
エンちゃんも同い年。
アメリカ留学時代に「kenny」と呼ばれていたので
そのまま「kenny」が愛称になっているのだ。
ついでに言っておくと、4年前に私が入院&手術をしたとき
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人目の保証人になってくれたのがkenny氏である。
ここに本名を書くのもどうかと思うので
とりあえずこのまま「kenny氏」で通させていただく。

で、できあがった夕食。
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日本から持ち込んだマグロで海鮮丼だ!
枝豆と味噌汁も用意して、完璧に日本食。()
のんびりビールを飲んで世間話をしていたところで事件発生。

昼間にザマーレク一帯が断水していた。
その断水は夕方には解消されたものの、
夜になってフラットのコミュニティの代表が
「水漏れしてるからフラット全体の水道を止めて検査します」と
家の水道の元栓を閉めてしまったのだ!
キッチンの水道だけは出るものの、トイレやバスルームは一切水が出ない。
そのまま断水は敢行され、風呂に入れず頭がベタベタ。
明日の夜には断水が解除されるといいなあ……


   <つづく>


(旅行中に書いていた日記を元に修正しました)

 

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