そろそろおねむの時間です! (2000年1月)

 


「ライン」 1月30日(日)

再び、乃南アサの小説。
パソコン通信のチャットで知り合った人が
次々と殺されていく。
犯人も捕まり、いよいよラスト。
「まだきっと何かあるっ」と身構えていたら
そのまますんなり終ってしまった……
ちょっと未消化?


「紫蘭の花嫁」 1月28日(金)

乃南アサ作の小説。
「6月19日の花嫁」が気に入っているので
「紫蘭の花嫁」も読んでみた。
怖い。
ラストが怖い。
どうしてああなるんだ……


「ある恋の物語」 1月25日(水)

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私は諭吉と歩いていて、ふと足を止めた。
ここは赤羽駅の KIOSK BOOK GARDEN。
「あたしね。先週お気に入りの本を無くしたの。見てもいい?」
諭吉は黙って頷いた。

彼と私は知り合ってまだ1週間にもならない。
懐がさみしくて暖を取りに入った小さな店で知り合った。
「君には俺が必要だよ」
あの日、彼はそう言って私の家に転がり込んだのだ。

1冊1冊に目を落としていくと、どれも欲しくなってくる。
村瀬千文の『ホテル・ジャンキー』を手にとってみた。
表紙を飾っている紫がかったホテルの写真が私の目をひいたのだ。
ページをめくる私の横で彼は
「いいね。いつか一緒に行きたいね」
とつぶやいた。
私は彼とともに旅する世界のホテルを夢見て決心した。

気がつくと乃南アサの本の前に立っていた。
『紫蘭の花嫁』というタイトルが心の何かに触れたのだ。
紫は嫌いではない。
否、むしろ好きだと言ってもいい。
「君も紫の蘭を両手一杯に抱えた花嫁になりたいの?」
と彼が言う。
そんなことはないけれど……
でも。

揺れる私の目の前に数字が飛び込んできた。
『30前後、やや美人』。
30という数字になぜか心が震える。

そして気がつけば、私は1冊の本を手にレジの前にいた。
彼は少し怒ったように言った。
「君とはもう一緒にいられないな」
そんな……待って。
「俺と本とどっちが大切なの?」
それは……もちろん諭吉も大事だけど、本だって……
「君にとって俺はその程度の存在だったんだね」
違う。違うの。あなたのことは……
「もう2度と会うこともないだろうな。さよなら」
そう言って彼はレジを預かる女とともに去っていった。

がっかりして放心する私の前に漱石が立っていた。
「やあ。また会ったねっ お茶しないっ?」
でも、コーヒーを1杯飲めば、あなたは私から離れていく……
「お茶を飲むのはまた今度ね」
そう言って、私は漱石の腕に体を預け、
新宿行きの埼京線に乗り込んだ。           <完>
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本日の支出。3649円也。


「あけましておめでとう。」 1月13日(木)

今頃になってこれですね。 (^^;
1999年はいろいろとお世話になりました。
2000年もどうぞよろしく。。。


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